もしも願いが叶うなら

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シングルモルトは
On the rock

きれいに削られたまあるい氷は

こがね色の輝きの中に
溶けだして
ゆらゆら
ゆらゆら

かたち無き不思議なチカラを
映しだしているよう


もしも願いが叶うのなら
こがね色の中に溶けこんで
あたしも
このゆらめき
そのものになりたい











“しとしと”
という言葉のひびきが
あたしは好き


しとしと  しとしと

全身のちからを全部抜いたなら
そしてそのまま
どこまでも受け身になれたなら

しとしとと土に染みこんでゆく小さな柔らかな粒たちは
あたしのこの身にも
しとしと
柔らかく沁みこんでゆくだろう










ピアノの音と
男声の透きとおった裏声が交じり合って
窓から街中へと流れてゆく

彼の息づかいで
その音は少しずつ色を変える
水色から青紫へ
だんだんと熱を帯びて、ワインレッドへ・・と


ポロンポロン
軽快なスタッカートと
しっとり、しっかりと優しくたたかれる和音の伴奏

ピアノの音色は
このしとしと雨に恋をした

水の粒たちを身にまとった音色が
雨の街中に染みわたってゆく
橙の街灯の下で踊っている

願わくばあたしも
彼らと
交じりえたい













ウイスキーも
街を見渡せる窓も
ピアノも
歌唄いも
ここにはないのだけれど

ただ
しとしと雨が
降っている


子どもじみた妄想は
ばぁちゃんになって呆けてしまうまで
変わらないのかな

馬鹿げた世界観を持つということは
悲しく辛いものではないけれど
その世界に一人きり
寂しく思うこともある


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by flowerof_sun | 2009-07-01 00:39 | ポツリ。  

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