翔んでゆこう





飛びたい!
と言った阿呆の言葉に

愉快な仲間達は揃い揃って返した
飛べ!跳べ!翔べ!



可笑しくて笑った

飛ぶってなんだ?
















信じたい
信じたい


生まれる疑心と信じたい想いが
闘いを繰り返す

そうしてまた
嘘という結末の繰り返しが
疑心を深く掘り下げる







信じたい
信じたい



「あいつは信用出来ない」
八年近く前から
頻繁に耳にする母のあの言葉は
未だに母の中に生きている
その生き物に一番苦しんできたのは母だ

はたして
裏切り続けてきた者が
悪なのだろうか

分からない

だけれど
奥底に住み着いたその生き物は
なかなか
離れてはゆかないのだろうと思う










信じたい
信じたい



オオカミ少年の別のお話


オオカミ少年の嘘は町から消える

退屈しのぎに
町のみんなを騙しては喜んだ少年は
もういない





誰も彼もが
どうせまた嘘だろうと
助けに行かなくなった

一人の老人だけが
何度も何度も
弾切れの重たい銃を担いで駆けつけた

少年は雨の日に叫んだ
狼だ!羊が食べられちゃう、助けて!

老人は雨の中
その弾なしの銃を担いで駆けつけた

少年は嵐の日に叫んだ
狼だ!助けて!

老人は嵐の中
その重たい銃を担いで駆けつけた


雨も嵐も重たい銃も
なんてことはない
とても元気な老人だった


老人は毎度少年に言う
“おぉ、君も羊達も無事のようじゃ。
良かったあ。良かったあ。”


少年は初めてチクチクを知る
ノドの下のほうが
チクチク痛むのを知る
痛みは増すばかりなのを知り
それからいつしか
チクチクの痛みをなくす方法を知る






まだまだ
この話には続きがあるけれど


オオカミ少年はこの町からいなくなる


羊飼いの少年は
町の人たちに可愛がられるようになる

少しばかり寂しがり屋の少年は
大好きなその老人を喜ばそうと
時々小さなウソをつく

ごくごく普通の
とても
可愛らしい少年だ










替え歌ならぬ替え話を作ってしまったけれど

こんなオオカミ少年のお話があってもいいと
あたしは思う









信じたい
信じたい




いったい何を信じるのか

誰を信じるのか
誰の何を信じるのか



探しても探しても
コタエが見つからないのなら

そこにコタエは無いという答えなのか






裏切り続けた者が
悪なのだろうか


裏切られたと嘆くココロは
自分の中に生まれたものなのに







オオカミ少年のお話の老人は
少年に嘘をつかれたと
怒りを覚えたことがあっただろうか

信じて、裏切られ
を繰り返したのだろうか

老人は
裏切られたことがあったのだろうか

老人は
少年に何かを期待したことがあっただろうか
少年が変わることを信じた、のだろうか










信じたい
信じたい




何を変えようと望むのだろう

何を変えなければならないと思うのだろう


いったい
何が
どうなることを
信じたいと祈るのだろう






あの老人は
包まれていることを知っていた
自身が包まれていることを
知っていた


何かを求め
未来がどうかなる事を
信じていたわけではなかった


これでいい、と
今のすべてを
信じていた










信じたい
信じたい



今はいつも変化を繰り返す

その変化は
おおよそ誰にも予期できない


その予期できないものを信じるのなら

裏切りは
生まれない







探せる場所にコタエはないのかもしれない


答えが欲しいというのなら
探さないことが
コタエなのかもしれない






何も考えずに信じられるモノを
信じていることが
大切なのかもしれない










飛びたい
跳びたい
翔びたい



なんの意味もないようなことを
言ってみる

ただでも

トビタイ!
と思った

頭の中はすっからかん

なんにもない


ただでも

信じている







うん

翔んでゆこう


この大空で

歌い叫ぼう











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by flowerof_sun | 2010-01-22 13:21 | ポツリ。  

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