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人間的なもの

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ここ最近、めっきりデジカメを手にしなくなったな。

なんかさ、
初めて食べたときは”美味しい!”って思えなかったのに、
何だか気になってまた食べて、気づいたら物凄くハマってしまってた・・

みたいなのと一緒なのかな、


パッと見、綺麗にとれてない写真
ピントが甘かったりズレてたり、ブレてたり、光が入りすぎてたり
そういった写真がね、

何度か見てるうちに、
すっかりお気に入りになってしまってるのよね。   (笑


作ったヘン顔じゃなくて、たまたま撮れてしまったマヌケ顔もね。  
好きなんだなぁ。




消してしまえないから、
得られるものがいっぱい。

フィルムカメラは、時間をくれるの。
余分とも思える時間。余計とも思える作業。

この、省こうと思えば省ける”余り”があってようやく
人っていう動物の、本来のペースに合うものになるんじゃないかな。

なんて、思う。










デジカメが、沢山の人を魅了させるのは
本当に良く分かるなぁ。

あたしも、デジカメで撮る期間が長くなると、
一眼レフを持たなくなってるのに気づくの。
次に一眼を手にするのは、写真自体を撮らない日々が続いて、
久々に「カメラ」に手を伸ばすその時。

コンパクトなのは勿論、
すごくキレイに撮れるしね。
撮って確認できて、失敗と思うものはどんどん消せて、
その代わりまたどんどん撮れる。
トリミングをささっと済ませば、大概良さ気なフレームに早変わり。

結局さ、あたしが撮った写真を誰かに見せるっていったら、
このブログなわけで。
ブログに載せるためだけだったら、デジカメだったらお金がかからない。
素晴らしい。。




でもなんだか

忙しいね。



削除したり修正したり
残りのメモリー確認しては、
どれなら消してもいいかを探して、また消して。
その小さなメモリーから、今度はPCの中に閉じ込めなきゃで。


デジタルを使ってるようで、
デジタルのスピードにもってかれてる。使わせられちゃってる。



それじゃぁ、
想いは乗っからないやね。

乗っけるには、時間がかかるもん。
それだけの集中力もいる。

被写体が発する”何か”も、捕らえる暇がない。
カメラが、じゃないよ。カメラは機械だもん。
自分が、ね。
自分が捕らえる。被写体の発してる”何か”。
レンズをじっと見つめて、捕らえた”何か”を、機械に送り込むんだよね。

そうすると、ほら、
応えてくれる。



本当はね、もっともっと送りこめたらいいと思う。

暗室で、ちゃんと水にくぐらせるの。
写真にも、広さが必要なんだろな。
水が必要なんだろな。

メモリーに詰め込んだもの達は、
撮り手と被写体が持つ、”人間的なもの”を取り込めるだけの
チカラはないのかも知れないな。








フィルムの写真は金がかかる!

かかるよね。

しかも、失敗作がいっぱい。
いつも半べそかく。  (笑


でもね、
その写真たちは、とても”人間的なもの”を含んでる。
あたしがそこにいるのが見える。

当たり前だよね。
成功でも失敗でも、全部が全部目の前に出てくるんだもん。
撮ってるあたしが、事実が全部そこにある。

同じ写真がいっぱいあったりしてね。
何度も何度も、シャッター切ってる。
それだけ、その瞬間、衝動に駆られてたワケなんだよね。
全部、残ってる。


デジカメも、消されなかった画像には、「事実」がくっきり写ってる。
でも、
フィルムは、「真実」も写してくれる。
これが、”人間的なもの”。






なんでもそう。
デジタルには、使っていると浸かってしまう。
中毒性がある。
手紙とメール。これも同じ。
デジタルだけじゃない。使い捨て製品もそう。
ハンカチとペーパータオルやウェットティッシュ。










面倒なところに、楽しみや気持ちよさがあるね。

”余分なもの”や”暇”は、無駄なこととは違う。
とても人らしい時間の流れ。

省きたい症候群は、危ないやね。


だってあたしら、人間だもんね。















この一眼レフは

あたしに色んな事を教えてくれる。

機械が苦手なあたしが
こんなに強く好きだと思えるのは、初めてかもしれない。





とても優しい
大切な道具だな。

by flowerof_sun | 2007-08-14 22:33 | artに触れて・・  

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